Clear Thinking
By Shane Parrish
Portfolio/Penguin 2023 New York
288 pages
読書は好きだが、読んだ内容はすぐ忘れる。オンラインの講座を視聴しても集中力が続かず、アウトプットに使えるほどには身につかない。
このような悩みを抱えながら、役に立ちそうな勉強法や思考法の本を追い求めてたどり着いたのが、この一冊。
責任が重大でストレスのかかる厳しい状況に置かれた時でも、常に「明晰な思考」を働かせ、質の高い判断を下すには、どうすべきか。
著者のパリッシュ氏は、某国の情報機関の元職員とのこと。そのような過酷な場面に直面した時の経験を踏まえ、重要なのは単発ではなく、繰り返し質の高い決断を下せるように備えておく事、と説く。
鍵となるのは、常に良い「立ち位置」(ポジショニング)を確保すること。いかに心に余裕を持ち、できるだけ多くの選択肢に目を配りながら、決断できるか。
「決断=ある選択肢が最善である、と判断すること」と定義したうえで、決断を下すまでには四つの工程が必要、と著者は指摘する。
- 問題を定義する。
- 解決策を検討する。
- 可能性のある選択肢を評価する。
- 最善の選択肢がどれか、判断をくだし、実行に移す。
このような工程を経ずに選択を行った場合は、意識的に判断を下したことにはならず、状況と感情に身をゆだねて選んだだけ、と手厳しい。
これらの他にも、実現したい目的を明確にする事、などを重要なポイントとして挙げている。
著者のニューズレターやポッドキャストからも、質の高い決断を行うための様々な考え方に触れることができ、興味がつきない。